もっと魚がおいしくなる!
調理のひと手間アドバイス

 「魚の臭いが気になる」「身がかたくなる」…。魚を調理した時に、仕上がりに困ったことはありませんか。ちょっとしたコツで、魚の楽しみ方が広がります。この道55年の包丁人、日本料理喜多丘(広島市東区)の北岡三千男店主に、食卓を豊かにするためのひと手間を聞きました。

魚の下処理や調理工程を守れば、家庭でも完成度の高い料理ができます。例えば、買ってきた魚に塩をまぶして寝かせておけば、余分な水分が抜けて身が引き締まり、うまみが増します。失敗を恐れずに、挑戦あるのみ。ぜひ、おうちで瀬戸内さかな料理をお楽しみください。

刺し身


北岡流ポイント

  • 切る時は、包丁の刃元を刺し身に当てて、手前に引きながら1回で切る。
  • 身が締まっている白身魚は、そぎ切りがお薦め。包丁を斜めにして薄く、断面を広くすると、独特の食感を生かせる。

簡単! ひと工夫でもう一品

スズキの薬味和え

  1. 身を1センチ角に切る。
  2. 薬味(ミョウガ、大葉、カイワレ、ネギ、ショウガ)を多めに和える。
  3. 合わせ酢を掛けて、できあがり。

焼く


北岡流ポイント

  • 弱火で焼き、最後に強火で仕上げる。
  • 焼き過ぎない。
  • フライパンにクッキングシートを敷き、蓋をして焼けばふっくらと焼ける。

簡単! ひと工夫でもう一品

サワラの照り焼き

  1. 小麦粉をまぶす。
  2. フライパンに油(大さじ1)を入れ、十分に熱したら焼く。
  3. 身に完全に火が通る前に、たれ(しょうゆ、酒、みりん、砂糖、各大さじ1)を入れる。
  4. フライパンを揺すりながら、表面にたれを掛けて煮詰める。

煮る


北岡流ポイント

  • 弱火で煮て、最後は強火で煮詰める。
  • なるべく身をつつかない。
  • 落としぶたは、身を包むくらいしっかりと覆う。

簡単! ひと工夫でもう一品

ハゲの煮付け

  1. 煮汁を鍋に入れ、冷たいうちから身を入れる。
  2. 落としぶたをして、弱火でじっくり煮る。
    身が柔らかくなり甘みが増す。
  3. 全体的に火が通ったら、落としぶたを取って強火に。
    煮立てれば、味が全体に染み込み、まろやかに仕上がる。②と計10分ほど加熱する。

揚げる


北岡流ポイント

  • 180度のたっぷりの油を使う(油に衣を少量入れて、衣が沈まずに表面で散れば適温)。
  • 身をつつかない。裏返すとしても1回。
  • 一度に入れ過ぎない。

簡単! ひと工夫でもう一品

サワラのフライ

  1. 小麦粉、卵白、砕いた柿の種(せんべいやおかき、ポテトチップスでも可)の順番に付ける。
  2. 油で揚げる。
  3. 具材が浮き始め、色が付いたら取り上げる。

簡単! ひと工夫でもう一品

吸い物は具と出汁を別に!

ハゲのお吸い物

  1. 鍋に200ml(1人分)の出汁と、塩としょうゆを適量入れて火に掛ける。
  2. 身を湯通しする。片栗粉を付けて湯を掛け、つやを出す。
  3. お椀に具を入れ、出汁を注ぐ。
おうちでお寿司!

チダイの棒寿司

  1. 身を湯通しした後、氷水に浸ける。
  2. キッチンペーパーなどで水分を拭き取り、身を酢に10~15分漬ける。
  3. 酢飯に身を載せて、ラップで整える。
  4. ラップを巻いたまま切ると崩れにくい。
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